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ブタジエンが高い 合成ゴム価格が上がる [材料相場、需給]

原油価格がイラン、中東情勢緊迫の影響で上がってきており、その影響と アジア地区のエチレンセンターの定期修理が各社で行われているので、ブタジエンの原料コスト高と供給減でブタジエン価格がこの1か月あがってきています。4月下旬はナフサ価格$600/MT、ブタジエン価格$1300/MTが5月下旬にはナフサ$700/MT、ブタジエン$1750/MTになっています。これでは8月からの国内合成ゴムは、円安もあり、さらに価格があがりそうです。3,4月に加藤は各地のゴム工業会での講演で、5月から合成ゴムの価格があがり、8月にはやや下がるかも と発表していましたが訂正します。意外に円安がすすみ(US$の金利が米国で上がり始めたため円安がすすみ)、米国が5月にイラン制裁を発表したため、原油が想定以上に上がり始めているので、ブタジエン、ナフサ価格があがり、8月からさらに国内合成ゴム価格があがるでしょう。
 ただブタジエン価格上昇の要因で、アジア地区エチレンセンター定修による供給減は6月になると定修が終わり、供給が回復するので、その分は値下がり要因になります。原油価格については、先行き不明です。ただナフサの変動に比べてブタジエン価格の変動はナフサの変動の2倍になります。この原油高はカーボンブラックの再値上げにもつながります。
海外ではブチルゴムの価格がかなりあがりました。これは中国の異常なアンチダンピング税のせいです。
しかし天然ゴム価格はあがりません。供給潤沢なのと、中国の買いがおとなしからです。
 加藤は、今週は日本ゴム協会年次総会で世界のゴム練り市場について発表をして、またこの総会の委員もやっていますので、毎日会場にいいます。来週はインド出張です。
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日本ゴム協会総会5月31日 特別講演、 台湾出張 [ご紹介]

5月31日午後に埼玉県浦和の埼玉会館で日本ゴム協会年次大会90周年記念講演会があります。今回は㈱フコク河本次郎社長による「ゴム企業のマネジメント、 ゴム技術者をいかに育成していくか」、日産自動車 材料技術部長福井氏による「自動車用ゴム材料の来し方行く末」、ブリヂストン常務松田氏による「ゴム産業の現在と未来」の3つの講演があり、どれもなかなか聞けない講演で、ぜひ参加したいものです。当日受付で参加費を払えば予約なしで講演を聞きに行けます。原料メーカを始め取引先の方も是非ご参加を。この講演については
https://srij2018.wixsite.com/srij-annual2018 をご覧ください。 ゴム関係者であれば、会社が賛助会員になっているはずですから、正会員の参加費で参加できるはずです。
また技術の方であれば、6/1のDrGiese(ドイツゴム技術研究所部長)の特別講演「エラストマーの劣化、安定」も聞けます。これも必見です。もちろん年次大会での130近くの技術発表も聞けます。今回は加藤も英語で6/1午前に「世界のゴム練り産業」を発表します。英語での発表は初めての挑戦です。
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 今週は台湾に2日間行っていました。ゴムプレス、射出成形機メーカーJINGDAY MACHINERYとニーダー、ロールメーカーのKNEADER MACHINERYと 光学型ゴム部品検査機メーカーを訪問。
下の写真のような、大型プレス(ダウンプレス800トン型)、ブラダー用の大型ゴム射出成形機も製作中でした。インターミックス型のニーダーもあり。BOMの製作中でした。来週もまた台湾行きです。
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フランスMLPC、サウジアラビアSABIC [海外]

今週は前半はフランスのボルドーから1時間の場所にある、ゴム加硫促進剤メーカーMLPC International社に日本のタイヤメーカーの方といっしょに行って、工場監査をしてきました。日本からの往復は北京経由で、パリに行き、そこからフランスの新幹線TGVで時速320kmの速さでボルドーへ。そこからローカル電車を乗り換えていきます。無事、品質監査も済んで、とんぼ返りです。パリでの飛行機乗り継ぎ時間の間で、パリ市内まで行き、ル・ボン・マルシェで一休み。4,5月はフランスはストライキのシーズンでした。フランス鉄道は5日間で2日間ストが、毎週つづいています。5月8日もボルドーからパリへはフランス鉄道がストで(実際には半分ぐらいが動いていました)、さらにこの日はエールフランス航空も同じ日がスト。これではどうしたら移動できるかわかりません。国際免許証をもってレンタカーを運転しての移動も準備しましたが、無事予定していた便は運行され、パリに到着しました。
 MLPC社は多くのゴム加硫促進剤を作っています。最近は中国が環境規制で中国ゴム薬品メーカーが生産を大幅に減らすなか、世界中からMLPC社の受注が増えています。DPG,DOTG、ETU、その他(TRA,DPTT)も製造しています。日本では当社が総代理店をしており在庫販売をしています。環境にうるさいEUにおいて、ちゃんとゴム薬品を生産しています。戦前は松からのロジンメーカーでしたが、第二次世界大戦後、フランスがドイツから賠償金の代わりに、BUYERのゴム薬品製造ノウハウを受け取ったことがゴム加硫促進剤の生産の始まりです。DPGはそのころから生産しています。また ゴム薬品のDPTUも生産しており、今度生産が中止になる ノックセラーC と同じ薬品で、代替品となります。
週の後半は日本に戻り、日本ゴム協会成形加工技術分科会で1時間講演しました。その後サウジアラビアのEPDM, BR,カーボンブラックメーカーのSABIC社から合成ゴムの責任者のサウジアラビア人がきており、いっしょに日本のタイヤ、ゴムメーカーを回りました。日本の合成ゴム市場のプレゼンもしました。自社でブタジエン、エチレン、プロピレンを製造していますので、有力な合成ゴムメーカーです。2017年から商業生産開始で稼働率も高いようです。今年中に加藤もサウジアラビアの本社、工場に出張するになりそうです。SABICの人に見せてもらったサウジの砂嵐の動画がすごかった。下の写真はどの一部ですが動画でみると迫力あり、ミッションインポッシブル3にでてくる砂嵐が本当にある。砂嵐の中では、夜のように真っ暗になる。
前回のブログでお知らせしましたが、中国のハロゲン化ブチルゴムのアンチダンピング税課税の影響で、アジアでブチルゴムの市況が上がってきています。中国のとばっちりですか?
来週は台湾出張で、そのあとも再度台湾、インドの出張が続きます。
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